第17章 寒い
12月8日は、アンナの誕生日らしい。
らしい、というのは十束多々良から聞いたからである。
アンナに何かプレゼントしたいと思っていた矢先に、彼はこんな事を言ってのけた。
多々良「アンナの誕生日パーティー、良かったらミツキちゃんも来ない?」
吠舞羅だけで行われるものだと思っていたので、誘われるとは想定外だった。
何だかんだで言いくるめられてしまったので、誕生日パーティーに行く事になった。
とりあえず、プレゼントを買いに出ようと町を歩いていたら、アンナと美咲に出会った。
美咲「よぉ、ミツキじゃねぇか。買い物か?」
草薙出雲、八田美咲、十束多々良は私を見つけると必ず話しかけにくる。他の周防尊以外はきっと私の名前も知らないだろうし、話した事がないから遭遇してもスルーだ。
ちなみに、話しかけてくる3人は一人で出かけている事につっこまない。
怜「うん。」
アンナ「ミツキ、あのね。」
美咲から離れてボソッと呟かれた言葉。
アンナ「怜の本当の姿、見たい。」
何という事でしょう。
とりあえず、二人と別れて町をブラブラと歩く。
誕生日パーティーにはアンナの要望通りいつもの姿で行く事は今決めた。
が、ひこから貰った服以外は高確率で部屋着だ。つまり、着ていく服がない。
買う物が増えた・・・。