第16章 冬
目を覚ますと、暖かい何かが後ろにいた。
もぞもぞと身体を回して見ると、猿比古がすやすやと眠っている。
朝まで寝てしまった・・・・。
端末を見ると朝の六時。この時間に起きていないということは遅番なのだろう。帰ってきたのは遅くだろうから、ゆっくり寝かせよう。
怜「・・・誕生日おめでと、ひこ。」
猿比古「お前もだろ。」
ぱちりと目を開けた猿比古。
怜「・・・起きてたの?」
猿比古「怜が動いて起きた。」
それは申し訳ないことをした。
猿比古はベットから降りた。怜も猿比古を追ってベットから降りる。
猿比古「ん。」
猿比古から渡されたのは綺麗にラッピングされた袋。
怜「開けていい?」
猿比古「あぁ。」
そう言いながら猿比古は怜の用意した箱を開ける。
怜が袋を開けると、中には眼帯とニットのワンピース、メガネ、帽子が入っていた。
眼帯とは言っても黒いやつではなく、医療系の眼帯。メガネをかけると、それは端末の性能も兼ね備えているらしく、起動した。
猿比古「・・・これ、手作り?」
怜「うん、ひこ前に仕事場のパソコン使いにくいって言ってたから。」
猿比古「・・・さすがだな。」
怜「ひこ、このメガネ凄いね!楽しい!!」
猿比古「・・・怜、俺の前で以外右目の下のやつ隠してるからそれを隠すための眼帯と、そのメガネも隠れるように設計してあるから。」
そんなところまで見ていたのかと驚いた。
怜「ありがと、ひこ。使うねー。」
猿比古「あぁ。俺も使う。」
どうやらパソコンは気に入って頂けたようだ。