第15章 発見
草薙「・・・志摩さん。」
志摩「こっちはねー、オークションに出された時に出来た傷さ。」
草薙「・・・ストレインの。」
志摩「そ。僕はストレインじゃないけどさ、有名らしいから売れるんだって。その時に暴れ回った結果、この痣。骨折れたまま放置してたら痣だけ残っちゃった。」
アンナはきゅっと志摩の左手を握る。
志摩「ずっと探してたんだ。」
草薙「・・・あれから、“女王”は現れてへん。最初で最後の女王や。」
美咲「草薙さん、女王って?」
草薙「七人の王の上にたつ事ができる者。それが女王や。クランズマンも持てる。25年前に亡くなって以来、新しい女王は誕生してへん。志摩さんは、その女王のクランズマンやってん。あんまし知られてへんけどなぁ。」
美咲「・・・他のクランズマンは?」
志摩「直属のクランズマンは僕だけさ。他は2代目や3代目。」
草薙「力を相続出来るんか!?」
志摩「女王の特権だよ。でも、相続にはリスクがある。上手くいけば相続出来るんだ。」
鎌本「じゃあ、2代目、3代目はいっぱいいるかもしれないんすか・・・。」
志摩「さっき言ったように、相続にはリスクがある。2代目、3代目は2人だけ。」
草薙「故に、女王の存在は伝説なんや。」
美咲「じゃあ、クランズマンは3人って事っすか?」
志摩「そーいうこと。あんまり会わないからねぇ。」
草薙「志摩さん、あの・・・。」
志摩「出雲。」
真剣な顔で志摩は草薙を見る。
志摩「僕は平気。クランズマンにはならないよ。」
アンナが志摩を連れて二階へ上がる。
アンナ「志摩、寝る。」
志摩「ほんと、アンナちゃんには隠し事出来ないねぇ。」