第15章 発見
手足を縛られて、倉庫に放り投げられた。
クラウディアと呼ばれてた奴はストレイン用の枷を足にはめられていた。始末されるのだろうか。
クラウディア「あーあ・・・もうここも潮時だねぇ。」
のほほんと喋る男。
クラウディア「ねぇ君。これくらい何ともないでしょ?」
怜「・・・。」
どうして。
クラウディア「あれだけ建物跳ねたりしてたのに、君には枷を付けられていない。あいつらは普通が分からないからね。」
怜「・・・ストレインじゃ、ないんだ。」
クラウディア「ご名答〜。」
ニコリと笑って答えるクラウディア。
クラウディア「僕はね、あの人以外に誰にも付かない事で有名らしいんだ〜。捕まえようとしても捕まえられない。だから雲みたいで、クラウディアって呼ばれてる。」
怜「貴方の本名は?」
クラウディア「んー・・・?大和。大和志摩。(ヤマト シマ)」
怜「・・・志摩はいくつ?」
志摩「んー?30。」
そう見えないのが困る。
志摩「僕より生きてる人なんていっぱいいるさ。」
ふわふわとした色素の薄い茶色い髪は、倉庫に投げ入れられたせいですこし汚れている。
年の割にそう見えないのはきっと、彼の顔立ちがいいからだろう。
怜。
声が聞こえる。
怜、待ってて。必ず、行く。
この声は、間違いなくアンナだ。
怜「志摩、この組織何してるの?」
志摩「んー?人身売買とか、薬とか?」
本当にろくでもない事をやっていたらしいこの組織。
志摩「でもねぇ、僕はそこに居合わせたことないから詳しくはわかんないや。」
怜「・・・もし出くわしていたら?」
志摩「その近辺粉々になってただろうねぇ。」
どこまでものほほんとしている志摩。言っていることは辛辣だ。
怜「・・・そ。」
志摩「ね、君の名前は?」
怜「・・・みつき。」
志摩「ミツキちゃん。」
にこにこと話す志摩。
志摩「チャンスがあれば逃げるんだよ。」
怜「・・・え?」
ガチャリと開かれた扉。
いたのは先ほどの男達よりも屈強な男達だ。