第14章 遭遇
あのビル飛び移りのおかげで、どんどん男たちと距離を遠ざける事が出来た。
少女はくねくねと十字路をうまい事曲がって一瞬姿を晦ませる。
それも相まって、どんどん距離が遠ざかり、男たちの姿も見えず、声も聞こえなくなった。
十束「ふぅ・・・撒けた、のかな。ありがとう。」
少女は息を整えてこちらを見る。
「・・・いつも何かに追いかけられてるね。」
今も、ずっと。
十束「・・・!」
怜「そろそろ、追いかけていいんじゃない?欲張って、2つ3つ追いかけてみたら?」
十束「・・・君・・。」
少女はスタスタと歩いて行ってしまう。
ふと顔を上げると、そこにはBAR HOMRA。
俺は慌てて少女を抱き止める。
怜「・・・!?」
十束「ね、お茶してかない?お礼させて!」
怜「・・・。」
十束「お願い!ここ、知り合いのバーなんだ!」
怜「・・・別に、いい。」
十束「いいからいいから!ね?」
怜「・・・わ、かった。」
十束「ありがと!じゃあ入ろっ!」
ふと、この少女の親が探してるんじゃないかななんて頭によぎったが別の自分がそれをかき消した。
この少女の事をもっと知りたい。