第10章 騒動
怜の服とひと通り生活するのに必要なものは全て買い、二人は夜中にセプター4の寮へ戻ってきた。
晩御飯も済ませ、あとはお風呂に入って寝るだけ。
伏見「なぁ、怜。どうしてお前は成長してないんだ?」
怜は、伏見と会わなくなって10年が経っていた。しかし、10年前と全く身長も、体重も、服のサイズも変わってはいなかった。
怜「力を制御するのに、この姿が一番安定する。」
どうやら自分の容姿は本人の意思で変えることが出来るらしい。
つまり、怜は成長はしているということ。力の代償で成長出来ないワケじゃないとわかり、ホッとした伏見。
怜「ひこは、大きくなったね。」
にこにこと笑う怜。
あぁ、手放したくない。
怜「ひこ、明日仕事だよね?私この部屋でじっとしてた方がいい?それとも、何処かにいた方がいい?」
そう言われてハッとする。
そういえば、あの上司はこの部屋にカメラをつけていなかったか?
怜「カメラなら、ハッキング済みだけど?」
そう言って、先ほど買った端末を見せる怜。
あぁ、変わらない。
伏見「そうか。・・・明日は、部屋からでなければいい。」
怜「はーい。」
怜は素直に頷き、自分の物を整理しに袋の山へと向かっていった。