• テキストサイズ

白いアリスは彷徨う

第9章 子供





数分走ると、見えてきた施設跡。

伏見はアンナを下ろす。




伏見「怜・・・!」





施設に入ると、何かがぶつかる。


下を見れば、瓦礫の欠片。


投げられたとわかり、投げられた方を見る。




アンナ「・・・怜・・!」



一糸纏わぬ姿の怜が、そこにはいた。


昔から何も変わっていない、小さな少女。銀髪は少し伸びて、立っていても髪が地面についてしまっている。
ちらりと覗く耳には、あの時のイヤリング。





怜だ。




伏見はアンナがいる事も忘れ、怜に駆け寄り、抱きしめる。





伏見「怜・・・っ!!」




虚ろで何も見ていなかった目が、伏見を見る。




怜「ひこ・・・?」


伏見「遅くなって悪かった。」






怜はポロポロと涙をこぼす。






怜「ひこぉ・・・!」





怜もまた、伏見に抱きつく。






ボロボロに泣きながら、怜は伏見の存在を確かめるように強く抱きつく。
伏見も何も言わない。



アンナはその様子を見て、幸せそうに笑っていた。




伏見を襲っていた頭痛は、いつの間にか消えていた。





/ 172ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp