第7章 偶然
八田と吠舞羅に戻った伏見。
草薙「また偉い派手に遊んだなぁ・・・。八田ちゃん、手当てしたるからこっち来ぃ。十束、伏見頼むわ。」
十束「はーい。」
伏見は先ほどの少女の事を思い出す。
5、6歳だと仮定すると矛盾が生じる。
自分はここ5、6年の間にそんな少女に会った事があったか?中学に上がってからはずっと八田といた伏見。それなら、八田も知っていなければならない。だが、八田からはそんな話を聞いたことがない。
美咲は単純だから、そんな事できるはずがない。
つまり、八田と出会うよりも前。
小学生の頃は一人でいた記憶があるから、それよりも前。
・・・ストレインか。
そんなに前なのならば、見た目で年齢を決めるのはやめた方がいいだろう。
なら、名前から特定できるはずと思ったが、情報操作をされている可能性も捨てられない。せめてフルネームがわかれば、話は変わるかもしれない。
彼女の名字は何だった?
“ひこと、一緒。”
記憶の中で笑う少女。
“早く見つけろ。”
“仁希、ありがとう。”
貴方は何者だったんだ?