第7章 偶然
ある夜中に突然のストレインの集団の襲撃に合い、返り討ちにした時だった。
猿比古「・・・美咲?」
共闘していたハズの美咲が見当たらない。
何かがぶつかる音がしているから、きっとそこにいるのだろう。
そう思ってその方向を向いた時、後ろから視線を感じた。
伏見「新手か・・・!!」
バッと振り向いたが、真後ろには誰もいなかった。
伏見「(・・・気のせいか?)」
辺りを見回すと、パチリと目が会った。
銀髪の長い髪。幼い顔立ち。真っ黒のゴスロリを着た“少女”がそこにいた。
まだ、5,6歳くらいであろうか。
しかし、伏見はその少女から目を反らす事が出来なかった。
猿比古「・・どこ、かで・・・。」
記憶を引っ張り出す。しかし、いくら引っ張っても靄がかかったように思い出せない。
なのに、自分の頬に伝うこの水は何だ?
「・・・。」
少女はくるりと後ろを向いて歩き出そうとする。
待てと声を出したいのに、自分の時間だけが止まったかのように声が出ない。足が動かない。頬を伝う水だけが、時間を進んでいる。
猿比古「怜っ!!!」
自分でそれを言った後でふと思い返す。
怜とは誰か。
少女はくるりとこちらを向いて、笑う。
「待ってる。」
ハッとした頃には、もうその少女の姿はなかった。
伏見「・・・待ってる、か。」
その言葉で確信する。
俺はアイツと出会っている。