第29章 崩壊
次にシロ達が目覚めた時、彼らは学園島の自室にいた。
シロの姿は、伊佐那社の姿ではなく、本当の姿であるアドルフ・K・ヴァイスマンの姿だった。
クロ「シロ・・・なのか・・?」
そんなクロの問いに答える気配のないシロ。
ネコ「シロ?どこか痛いの???」
シロ「・・・?どうして?」
ネコ「だってシロ、泣いてるもん・・・。」
シロ「・・・玉依・・。」
クロ「・・・シロ、玉依とは誰だ?女王の名は怜だと言っていただろう。」
シロ「・・・初代女王、満月玉依の事だよ。」
クロ「・・・初代女王と、面識があったのか・・!?」
シロ「玉依も中尉と一緒でドイツに来てたからね。」
「つまり、その満月玉依が祖母であるという事は、現女王は満月怜。・・・満月財閥の一人娘という事ですか。」
ネコ「ボスメガネ!?」
セプター4の宗像礼司、淡島世理が部屋の入口にいた。
シロ「・・・そっか。宗像さんは怜には会ってないんだっけ。」
淡島「・・・伏見をご存じありませんか?」
シロ「伏見さん?いや、こっちには来てないですけど・・。」
淡島「そうですか・・・。」
クロ「・・いないのか?」
淡島「・・・室長から、伏見がセプター4を抜けたのは石盤を破壊するための策だったと聞きました。けれど、我々が目を覚ました時、伏見だけいなかったんです。・・・吠舞羅にも行ってみましたが、伏見の所在を知る者はいませんでした。」
ネコ「イヤメガネ、またいないの?」
「タタラも、いない。」
シロ「・・・アンナ?」
アンナ「タタラ、帰って来ないの。」
出雲「すみません、シロさん。突然お邪魔して。」
部屋の扉からひょっこり顔を覗かせたアンナと、その後ろから扉を開けた草薙出雲。
シロ「・・・淡島さん、端末で伏見くんの名前をフルネームで入れて検索してみて下さい。」
淡島「え?え、えぇ・・・。」
端末を取り出して、伏見猿比古と打ち、検索をかける。
淡島「・・・“検索にヒットする人物は存在しません”・・!?」
シロ「・・・やっぱり。」
宗像「どういう事ですか?」
シロ「あそこに行けば、きっと全てが解決する。皆で行こうか。」
御柱タワーへ。