第29章 崩壊
出雲「・・・十束はまだか・・!!」
草薙は焦っていた。
アンナ「・・・タタラ・・怜・・・。」
地上に出ていた吠舞羅の人々の上には、白銀の剣。
先ほどまで出ていた黄金の剣はいつの間にやら消えていた。
白銀のダモクレスの剣は今にも落ちようとしている。
白銀の王、本人の意思でダモクレスダウンを起こそうとしているのだ。
流「・・・ダモクレスダウンを起こせば、この都市は消滅しますよ?」
シロ「そうかもしれないね。」
流「正気ですか?この石盤がなくなれば、貴方達を繋ぐものは何もなくなります。」
ネコ「そんな事ないっ!!!」
ネコは声を荒げて言う。
ネコ「ワガハイ達は、ずっと繋がってる。アンナも言ってた!相手を大事に思う気持ちがあれば、ワガハイ達はずっと繋がってるって!!」
ズッ・・・と、白銀の王のダモクレスの剣が落ちて来る。
月「怜!!」
けれど、怜は石盤の上から動く気配がない。
シロ「女王!そこを退いてください!!」
ダモクレスの剣はどんどん落ちて来る。
怜「・・・。」
ただ、怜はその剣を見上げていた。
あぁ、綺麗な色だ。
怜に剣がぶつかると思われた、その時だった。
剣が、跡形もなく消え去ったのだ。
シロ「・・・ぇ・・。」
クロ「ダモクレスの剣が・・・消えた・・!?」
怜を護るように展開されている黒いシールド。
怜「・・・。」
スクッと怜は石盤の上で立ち上がる。
そして、比水流を見る。
怜「貴方はこの世界を困惑させた。よって女王の権限に基づき、貴方の王の力を剥奪させていただきます。」
流「な、にを・・・!」
怜は比水流の方に腕を伸ばす。
すると、比水流の心臓部分からバチバチと緑色の塊が出現した。
流「・・・!!」