第28章 帰還
怜「・・・平気。」
狗朗「ネコ!その口の利き方はよくない。相手は女王だぞ。」
ネコ「え~~だってだって!!怜吾輩たちとあんまり歳変わらないように見えるんだもん!!」
狗朗「だからと言って・・・!!」
月「・・・夜刀神狗朗。先代無色の王のクランズマンでもある。御芍神紫の弟弟子。ネコはストレインの子。本名雨乃雅日。自身の能力でその記憶すらも封じている。」
ボソリと怜にしか聞こえない程度の声でつぶやく月。
怜「・・・へぇ・・。」
流「・・・白銀の王、アドルフ・K・ヴァイスマン。石盤を取り戻しにここへ?」
シロ「まぁ、そんなところかな。・・・それよりも、女王を返してもらおうか。」
流「石盤よりも女王を大事にしますか。吃驚です。」
シロ「石盤だってもちろん大事だ。このままではストレインだらけで世界が困惑してしまうからね。・・・けれど、それ以上に女王の存在は君の元へ置いておくわけにいかない。」
シロはじっ・・・と怜を見る。
流「女王は渡しません。まだ仕事をしてもらってませんからね。」
シロ「女王に力を使わせるな。」
いつもより1トーン低い声でそう告げるシロ。
シロ「女王が嘆けば雨が降る。女王が笑えば花が咲き乱れる。・・・女王の力を君が取り込む事なんて出来やしないんだ。」
流「ふむ・・・。どうやら見識を変えなければならないようです。」
ツカツカと怜達に近寄り、王の力で月を弾き飛ばした流。
怜「月!!」
月「ぁっ・・・!!」
流「女王がいればこの世界は変えられる、と。」
グイッと怜の髪を引っ張り上げる流。
怜「いっ・・!」
狗朗「女王!!!!貴様・・・っ!!」
クロは刀に手をかけて攻撃態勢に入る。
流「女王は渡しません。女王は永遠に閉じ込める事にしました。」
シロ「そんな事をしていいと思っているのか・・・!」
流「善悪を決めるのは女王です。女王が良かれと思えばいいだけです。」
ネコ「嫌がってるじゃんか!!!」