第27章 交差
草薙「緑のJランカーの身分が全員割れたで。」
パッと端末から出される写真。
美咲「オカマとあのガキだけじゃないんすか?・・・あと、サルと。」
草薙「御芍神紫、五条スクナ。コイツらには会うた事あるやろ。で、伏見もJランカー入りや。伏見と同時にJランカー入りした人もおってな。前に会うたやろ?高御琥珀。女王の番犬や。」
鎌本「!女王の番犬も寝返ったんスか!?」
草薙「さぁな・・・。けど、女王が緑のクランに攫われたのは関係してると思うで。」
美咲「それで、もう一人のその男は?」
草薙「コイツは随分と古株でなぁ。この前は気分が乗らんかったから来んかったらしいわ。」
美咲「そんなのアリなんすか!?」
草薙「古株やから許されたんやろ。」
鎌本「コイツの異能は?」
草薙「残念やけど、コイツの写真と名前だけで時間取ったさかい。堪忍な、鎌本。」
美咲「草薙さん、コイツの名前は?というか、どこかで見たような・・・。」
草薙「・・・十束仁多(ニタ)。」
美咲「・・・十束って・・。」
多々良「・・・仁多、生きてたんだねぇ。」
草薙「十束の兄や。」
「ふんふふーん・・・♪」
夜、ネオンライトで光る建物で溢れかえっている。
とある高い建物の屋上の端に一人の男が座っていた。
ヘッドフォンを耳にあて、上機嫌に鼻歌を歌っている。
靡く髪は金髪。
「多々良、出て来るかな?」
十束仁多。十束多々良の兄である。