第27章 交差
白い部屋に入れられて、1か月が経った。
今日はパーティーがあるとやらで隣の部屋は静かだ。
怜「・・・パーティー、か・・。」
御芍神紫に誘われてはいた。気分転換にでも出席しないかと。
しかし、怜自身、パーティーには飽きていた為に拒否したのだ。
そのパーティーで一悶着あった事も知らずに。
「月、どうだ?」
月「余裕。」
月と呼ばれた小柄な子の足元には倒れているJUNGLEの人間たち。
月の手元にはパソコンと端末。
「直に入れて平気なのか?」
月「いらないパソコン。困らない。」
JUNGLEの人々は誰かを追っているようだった。
端末を広げてみれば、緊急ミッションの文字が見えた。
侵入者を追いかけるというものだったが、自分たちの所に来ないのを見ると、違う人物が追いかけられているらしい。
月「・・・随分な人間が揃ってる。」
「そのデータだけどこかに飛ばせないか。」
月「出来る。データの搾取なんてさせない。」
バタバタと走り回っている音をBGMに操作を続ける月。
その傍にいる青年はただジッと見ているだけだ。
月「・・・志摩、侵入者が分かった。セプター4と吠舞羅の№2だ。」
志摩「・・出雲とあの女の人か・・・。随分と無茶をするね。」
志摩の持つ端末にはニッコリマークの顔文字が送られてきていた。
月「どうする。」
志摩「続行で。」
ピッと端末を消すと志摩はスタスタと歩き出す。
月もその後ろをてとてととパソコンをいじりながら追いかける。
志摩「俺達も乗ってみるか。ゲーム盤にな。」
月「条件はジョーカーという切り札。」
志摩「それは違いないね。」
月の持つパソコン画面には送信完了の文字が並んでいた。