第26章 接触
嫌だ。まだダメ。
もうバレた。もういいだろう。
アンナがいる。ダメだ。
アンナは、赤の王だ。
怜の目が開かれた。
多々良「怜、大丈夫?」
怜「・・・た、たら。」
多々良「ん?」
怜「逃げ、て・・・。」
多々良「・・・え・・?」
先ほどまでとはけた違いの爆発音。それと同時に多々良は怜に背を押された。
多々良「・・・!怜っ!!!」
怜は霧に紛れて姿が見えなくなった。
アンナ「タタラッ!!」
アンナは多々良の腕にしがみつく。
爆風が収まり、煙も収まった頃にはすでに灰色の王も緑の王も、怜もいなかった。
石盤も、なくなっていた。
多々良「・・・怜・・っ!!」
誰も気付かなかった。
多々良の手から黒い炎が出ていることに。
紫「その子が女王、ねぇ・・・。」
ぐったりと身動きもしない少女。
スクナ「イワさん、女王に手出したんじゃねぇの?」
イワ「出すわきゃねぇだろ。」
怜「・・・。」
ひこ、来ちゃダメ。