第26章 接触
猿比古「・・・なんで・・。」
多々良「あ、伏見おはよ~。やっぱり朝早いんだね?」
猿比古「何でアンタはそう自由なんだよ・・・っ!!!」
翌日早朝、多々良はセプター4の馬小屋にいる白あん煮込み豆腐(元名:馬刺し)にニンジンを与えていたら猿比古がやって来たというのが今の現状だ。
多々良「寝てる?クマ凄いよ?」
猿比古「毎日のように緑のクランの処理してるんで。吠舞羅が次々に検挙してきて終わらないんですよ。」
多々良「ははっ。やっぱ草薙さんの情報網はすごいねぇ。」
猿比古「・・・で、十束さんは何でここに?」
多々良「お仕事、ちょっと休憩出来ないかな?」
猿比古「・・・は?」
多々良「えーと、その・・・ちょっと、さ。」
猿比古「・・・何でですか。」
多々良「・・・怜、だよ。」
猿比古「!」
多々良「最近、会ってないでしょ?だから、その・・・。」
猿比古「・・・怜は?」
多々良「やっと昨日寝たんだ。だから起こすのも申し訳なくなっちゃって。」
猿比古「・・・そうすか。」
多々良「伏見も忙しいのは分かるんだけど、ちょっとでいいから会ってあげてくれないかな?最近、ちょっと様子がおかしくて・・。」
猿比古「様子がおかしい?」
多々良「家にも帰ってないんだ。ずっと何かをしてるんだけど、何をしてるのか俺には分からないからさ。」
猿比古「・・・はぁ。」
多々良「伏見に会ったら、多分元に戻ると思うんだ。」
猿比古「・・・明日なら、多分。」
多々良「怜には言わないでおくからさ、待ってるね。」
怜「・・・クリスマスまであと3日・・。」
ギシッと怜の座っている椅子が音を鳴らす。
怜「・・・何もなければいいのだけど・・。」
そう呟く怜の正面には1枚の画像。
フードを被った幼い少女がこちらをジッと見ている画像。