第25章 時間
吠舞羅の人々が会場から姿を現す。
宗像「・・・櫛名アンナ。」
アンナ「・・・。」
宗像「女王はどこです?」
出雲「・・・?女王やて・・?」
宗像「先ほど、一瞬でしたが女王の剣が出ていましたよ。数値も取れています。・・・女王は何処です。」
アンナ「・・・わからない。」
淡島「分からない、ですって・・・!?」
出雲「世理ちゃん、いつ頃出てたんや?」
淡島「なっ、貴方も分からないって言うわけ!?」
出雲「堪忍なぁ、世理ちゃん。あそこ暗いしストレインは多いわ敵さんも多いわで大変やってん。」
宗像「・・・なるほど。女王の色は黒です。視界が暗ければ気付かないでしょう。」
アンナ「・・・。」
宗像「・・・ストレインの中にいたという事になるわけですが・・。」
「あらあらぁ・・・。青服までお出ましだったのねぇ。」
クスクスと笑う声。
美咲「誰だっ!!!」
「別に取って食いやしないわよ。」
スッと現れた人物。女性というには幼く、少女と呼んだ方が適切であろう。
しかし、その顔立ちからは想像できやしない完成された女体。
出雲「・・・自分、ストレインの中の一人やな。」
「吠舞羅の参謀は記憶力がいいわねぇ・・・。逃げきれなさそうだわ。」
美咲「おめぇは誰だって言ってんだよ!!」
猿比古「・・・前女王の2代目クランズマンで、女王の番犬とも呼ばれている・・高御 琥珀(タカミ コハク)だな?」
琥珀「私の事知ってるの?ありがとう。伏見猿比古君。・・・いや、違うかしら?」
ヒュッと投げられたナイフ。
琥珀「心配しなくたって言わないわよ。私は口が堅いの。」
猿比古「・・チッ。」
宗像「何故女王の番犬が此処へ?」
琥珀「ふふふっ。私は女王の番犬なの。番犬が番犬の仕事をしないでどうするの?」
宗像「・・・といいますと?」
琥珀「女王に近づいてみなさい。その首切り落とすわ。」
スラッと伸ばされたサーベル。
世理「室長!!」
宗像「・・・随分な挨拶ですね。」
琥珀「女王は渡さない。」