第25章 時間
宗像「・・・では、やはり女王は存在するのですね?」
琥珀「えぇ。するわよ?じゃなきゃ私はこんな舞台に出ないもの。」
宗像「言われてみればそうですね。貴女は表に出てこない事で有名な人物です。そんな貴女が出て来る理由は一つしかない。」
琥珀「人の個人情報はベラベラと喋るもんじゃないって部下に教えておくことね。」
パチンッと指を弾くと、琥珀以外の人間の動きが止まった。
出雲「・・こ、れは・・・!」
宗像「・・・なるほど。貴女の能力は他人の神経に干渉出来るというものですか。」
琥珀「子供はまだたくさんいるのよ。あの子達が逃げ出せたら能力を解いてあげるわ。・・・あぁ、安心して。犯人たちはしばらく解いてなんかやらないから。」
宗像「そうですか。それは助かりますね。」
琥珀「それじゃ、“空にはご注意を。”青の王様?」
宗像「・・・覚えておきましょう。」
琥珀はカツカツとヒールを鳴らしながら会場へと戻って行った。
多々良「・・・。」
怜「・・・。」
多々良と怜は街を歩いていた。
多々良「・・・あのさ、怜。さっきの言葉、どういう意味かな?」
怜「・・・?何が?」
多々良「俺が、籠を壊せないって言ったらそんな事ないって怜が返したヤツだよ。」
怜「・・・そのままの意味、だよ。多々良は戦える。」
多々良「・・・!」
怜「多々良は、強い。」
多々良「・・・怜・・。」