第25章 時間
車で移動させられ、連れられて行った部屋には1着の子供服と菓子パンがあった。
これを食べてこれに着替えろという事なのだろう。
パンには手を付けず、服に手を伸ばす。
アンナと同じ、ゴスロリ。しかしアンナとは違い、真っ黒なゴスロリだ。
服を着替えてボーッと空を見る。
ひこ、忙しいかなぁ。
昨日この人たち逃したなら、忙しいだろうなぁ。
ガチャリと入って来たのはまたあの男。
男「・・・やっぱ、いい質だよなぁ。お前。」
怜「・・・?」
男「会場行くぞ。」
怜の手首を掴んでズンズン進む男。
男「にしても、随分大人しいな?逃げようともしてねぇみたいだし?」
怜「・・・別に、いいかなって。」
男「・・・おいおいおい。売られるんだぞ?わかってるか?」
怜「売る貴方に言われたくない。」
男「ハッ。それもそうだな。」
男は怜を鳥籠のような物に入れると扉を閉めて鍵を閉めた。
そのまま男はカラカラと鳥かごを押す。
男「せめていい奴に買われろよ。」
怜「逃げるという選択肢が見当たらないけど。」
男「逃げたらその枷にある爆弾爆発するぞ。」
怜「・・・やっぱ爆弾あるんだ。」
ワァァァアアアッと聞こえる歓声。
突然視界が明るくなり、目を閉じる怜。
『さぁさぁ皆さま!!今宵の目玉商品でございます!!戦闘用に強化するもよし!愛でるもよし!他の商品とは比べものにならないほどの美少女ですよ!!』
ゆっくりと目を開ければ、多くの人間がこちらを見ていた。顔には目元を隠す仮面をしており、ここからでは素性なんてわかりっこない。
『ではまず100万から!』
「120万!」
「こっちは170万よ!!」
「200万!!」
「300万だ!!」
どんどん吊り上がって行く金額。
『おぉ!どんどん金額が上がって行きます!・・・おや?質問が来ていますねぇ。』
眼帯の下はどうなっているのですか?