第25章 時間
いつのまにか眠ってしまったようで、倉庫に少し光が差し込んでいた。
真っ暗な倉庫にはそれが人工的なものかどうかなんてわかりやしなかったけど、時間が経っていることに間違いはなかった。
怜「・・・。」
自分の手首を見つめる怜。
外れていない枷。正直、重い。
怜「・・・アンナにも届かず、か。」
枷のせいで遮断されているのかもしれない。
ガチャリと開いた扉。そこには前の男。
男「よぉ。随分眠ってたな。」
怜「・・・今何時。」
男「翌日の夕方だな。」
寝すぎだろう私。
男「ま、取引も上手く行ったし後はお前を売り払ってさようなら、だな。」
グイッと引っ張られて立たされる怜。
男「移動する。その後に着替えてお前の番まで待機しとけ。」
怜「・・・ご飯。」
男「あ?・・・あぁ、そうか。食ってなかったな。適当に用意させる。」
随分と呑気なものだと自分でも思う。
でも、何となく大丈夫な気がする。