第25章 時間
美咲「うわっお前すげぇな!?」
美咲の目の前に出されている画面にはNEW SCORE!!と書かれている。
美咲「怜はリズム感あんのかー。」
怜が初のリズムゲームで叩きだしたスコアだ。
美咲「違うリズムゲームやるか?」
怜「・・・あれ、やりたい。」
怜は人生初のゲームセンターに少なからずテンションが上がっていた。
鎌本「八田さーん、両替してきたっすよー。」
美咲「ミツキ頑張れ!あと少しで取れるぞ!」
怜「うん・・・!」
怜と対面しているのはクレーンゲーム。
大きな猫のぬいぐるみだ。
しかし、なかなか取れなくて悩んでいるのだ。
怜「・・・。」
美咲「ん?どうした??」
怜「・・・もういい。美咲のお金なくなっちゃう。」
美咲「あと少しで取れるぞ?」
怜「私じゃ、取れないから。」
そう言って怜はてとてとと鎌本の元へ歩いて行ってしまい、次はアレ、とお菓子のキャッチャーへ向かって行く。
美咲は猫のぬいぐるみを見る。
美咲「・・・勿体ないよなぁ。」
一通り遊んだら、随分と時間が経っていた。
端末を取り出すと同時に電話がかかってくる。
怜「もしもし?」
『怜お嬢様、青の王が戻られました。』
怜「分かった。そろそろ帰るね。」
ピッと切ると、二人はこちらを見ていた。
美咲「帰るのか?送ってくぞ?」
怜「ううん。大丈夫。」
美咲「あ、それと・・・コレ。」
差し出されたのは大きな袋。
怜「・・・?」
美咲「取れたから、やるよ。」
受け取って中を見てみると、先ほどの大きな猫。
怜「・・・いい、の?」
美咲「おうよ。」
怜「・・・ありがと、美咲。」
ふわりと笑った怜は綺麗だった。