第24章 緑色
「女王が誕生していたとは驚きです。感動です。」
「何処に感動する所があるのよ流ちゃん。」
「おいおい、感動するだろ?あの伝説の女王が存在するんだぞ??」
「女王って強いわけ?弱いのはいらないよ?」
「女王の力は絶対です。女王は常識の範囲を超えています。その例が・・・」
「元吠舞羅の最弱幹部、十束多々良ってワケね。」
「肯定です。彼の出血量から見て、彼は死んでいたはずの人間です。驚異です。」
「その十束多々良ってのなら、女王を知ってるってワケだ。」
「あーそれで十束多々良ってのと女王の情報のポイントが一緒なんだ?」
「肯定です。彼の知る情報は俺達の欲しい情報です。」
「やっぱりあの時連れてきちゃえば良かったんじゃないかしら?」
「否定です。あの時は近くに女王がいました。だから十束多々良に紫は触れる事が出来なかったのです。」
「あぁ、あのバリアみたいな・・・。」
「女王ってなんでもアリかよ。」
「女王ってのはそういう存在だ。王達をも制御出来る能力の持ち主だ。」
「だから女王を手元に置いておきたいのねぇ。」
「肯定です。女王という存在はジョーカーの域を逸脱した、いわば反則です。手元に置いて損はないでしょう。イワさんは前女王に会った事がありますね?」
「あぁ。まだあん時はイワさんも青年でよぉ?まぁ驚いた事は覚えてる。何せ、女王は50過ぎって聞いてたのに会ってみればまだ若い女だったんだ。」
「あら。噂が間違ってたのね。」
「いんや?これがまた驚きだ。女王は本当に50を過ぎてた。が、見た目はまだ若い女。・・・不変の王と同じさ。」
「つまりどういうわけだよ?」
「女王は他の王の力も使えるとみていいという事です。」
「あら、本当に反則ね。チートとでも言えばいいかしら。」
「えぇ。チートです。ですから、俺達もそれなりの覚悟で女王に挑まなければなりません。もし女王の力を使いこなせる人物であったなら、すぐに決着をつけなければなりませんから。」
「こりゃ、國常路のジジィに決闘申し込んだ時より覚悟がいるかもなぁ。」