第24章 緑色
十束多々良はある場所に来ていた。
草薙出雲に聞き出した場所。
キィと扉を開けて入ってみれば、そこには窓もない真っ白な部屋。
そこに、彼はいた。
多々良「・・・志摩さん。」
そう多々良が話しかけるとその人物は振り返る。
志摩「・・・多々良?」
多々良「志摩さん。」
志摩「・・・多々良・・!」
志摩はガバリと多々良に抱き付いた。
志摩「・・生きてて良かった・・っ!!!」
ボロボロと泣いているのは分かった多々良は志摩の思う通りにさせた。
志摩「・・・それで、多々良はどうしてここに?」
多々良「・・・志摩さん。女王のクランズマンは全員で3人でしたよね?」
志摩「・・・よく覚えてたね。随分前にした話だよ?」
多々良「志摩さんと残りの二人。・・・女王のクランズマンを集める事は出来ませんか?」
志摩「・・・多々良、何かあった?」
多々良「女王が危ない。」
志摩「・・・女、王・・?」
多々良「コレ、見て下さい。」
映し出された画面には、
【緊急ミッション:女王の謎を解き明かせ!】
この日本には女王と呼ばれる人間が存在する。初代は既に亡くなっているが、その後任がどうやら存在しているらしい。その後任を探し出し、その情報を公開せよ。なお、このミッションに参加した者全員に5ポイント。正確な情報を公開した者には1000ポイント。女王の素性を明らかにした者には3万ポイントを付与する。
志摩「・・・!!」
多々良「・・・緑のクランが女王を探してる。目的は定かじゃないけど、女王が危険なんです。」
志摩「・・・女王が、誕生してる・・。」
その事実に嬉しそうにする志摩。
志摩「・・・集めるよ、クランズマン。ありがとう、多々良。」
多々良「・・志摩さんも気を付けて。緑のクランはどこに潜んでるか分からないから。」
志摩「気を付ける。ありがと。」
多々良の頭を撫でる志摩。
多々良は何処か不安げであった。