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白いアリスは彷徨う

第23章 侵入








怜「全く・・・壊しすぎよ。」







イライラしているのが目に見えてわかる怜。




多々良「随分と改装するんだね?」



怜「窓ガラスの張替に襖の張替・・・セキュリティは自分でやるからいいとして、一番の問題はこれよ。」





怜は頭上を指差す。










そこにはポッカリと開いた穴。



青い空が見えている。







怜「ここから上の階、全て立て直しよ。全く。」

多々良「・・・アンナの赤の王の力のせいだよね・・。」
怜「・・・正直、予想はしてた。」






あの子は前に石盤に寄った事のある子だから。





多々良「・・・怜・・。」
怜「あの子は受け入れた。だから私は手を出さない。」




そう言う怜は、どこか遠い気がした。








怜「多々良、ここから上の部屋、貴方が設計していいよ。」
多々良「え、俺がやっていいの?」
怜「最終的な調整はウサギがやってくれるから平気。最上階は日本庭園に戻すけど、それでいいなら。」
多々良「分かった。考えるね。」




怜「・・・。」

多々良「・・・怜、俺の気のせいならいいんだけど、さ。」




怜、今日その場所からずっと動いてないよね?






怜「・・・そうね。」





空を見ている怜。




怜「・・・御前の音が、小さくなってるの。」
多々良「・・・!」
怜「きっと、御前は私に会ってはくれない。白銀の王を迎えに行ってたから。」
多々良「・・やっぱり、彼は生きてるんだね。」
怜「不変の王だからね。・・・でも、御前は違う。」











一人のウサギが部屋に入って来た。




ウサギ「お嬢様。」

怜「・・・。」






怜は静かに涙を落とした。






怜「貴方は、私の最高のおじいちゃんだよ。御前。」









多々良はただそんな怜の傍にいた。









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