第22章 アリス
ミツケタ
ミツケタ
ミツケタ
ミツケタ
大和志摩は何もない部屋にいた。
真っ白な壁。窓はない。扉が1つあるだけの簡易な部屋。
それでも、声が聞こえる。
志摩―――――――。
もういない彼女の声。
志摩「・・・まだ、そっちには行けないみたいだよ。玉依。」
もっと早くそっちに行くと思ってたけどねぇ。
ズキズキと右肩にある古傷が傷む。
志摩「・・ねぇ玉依。正直さ、僕死にたかったんだと思う。玉依に会った時も、あの時も。」
でも、玉依は泣いて僕を抱きしめてくれた。
玉依は誰よりも僕に優しく接してくれた。けれど、腫れ物のように扱う事はなかった。だから僕は玉依が大好きだった。
なのに、君はあっという間に行ってしまった。すぐには会えない場所に。
志摩「・・・ねぇ、玉依。」
会いたいよ。女王。