第21章 眠る
怜が目を覚ますと、寝る前と同じように両サイドで二人が寝ていた。
怜「・・・ウサギ。」
「何用でございますか、怜お嬢様。」
怜「出かけるわ。」
「はっ。書類は揃っております。」
怜「二人は寝かせておいて。・・・それと、末端がうるさい。」
「・・・かしこまりました。非能力者はいかがいたしますか?」
怜「構わないわ。放棄させて。」
「了解いたしました。」
「な、何用でございますか・・・?満月財閥令嬢、怜様・・?」
怜「総理?お話しがありますの。」
総理「な、何でしょう?」
怜「この書類を受理してください。」
スッと差し出された書類。
総理「・・・これは?」
怜「御柱タワーの所有者の変更書、そして飛行船の飛行ルート変更書です。」
総理「・・・どうして貴女が?」
怜「私が國常路大覚の元で育ったから、と言いましょうかね。」
ニコニコと笑っている怜。
総理「はぁ・・。」
怜「嫌なら結構です。面倒この上ない法的手段を取るだけですので。」
総理「いえ、受理しますよ。」
怜「ありがとうございます。あぁそれと総理。いい加減に身を固めて下さいね。面倒くさい。」
総理「・・私に結婚を進めているのかな?」
怜「そういう意味ではありません。・・・失礼します。」
パタンッと部屋を出て行った怜。
怜「・・・はぁ。面倒。帰って二度寝しよ。」
カツカツと歩く怜。
誰もすれ違う事はない。
入口に出るとウサギが車のドアを開けて待っていた。
「お疲れさまでした怜お嬢様。」
怜「帰って寝る。」
「かしこまりました。」