第1章 *Candy*
.
あ~あ…
.
昨日のお礼言えなかった…
.
1日二宮くんを見てた
.
女の子だけじゃなく誰にでも優しいよね
.
.
そうそう、よく色んな人のフォローしてあげてるよね
.
.
それは前から気づいてた
.
.
で、気づいた事がもうひとつ
.
.
みんな下の名前か
.
あだ名で呼んでて…
.
あたしだけ先輩…?
.
.
前は気にならなかった事が
.
凄く気になって…
.
ちょっと悲しくなった
.
.
.
夕方終業してすぐ直輝に声をかけて
.
屋上に上がって待ってた
.
.
夕日がキレイに雲の間から見えて
.
空が赤く染まってた
.
直「お待たせ」
.
って笑顔で来た直輝に申し訳ない気持ちになる
.
「あの…昨日の事なんだけど」
.
直「うん…」
.
「ごめんなさい…あたし好きな人がいるの」
.
フーっと息を吐いた直輝は
.
「ん、分かった…最近の見てたらそうかなって思ってた、だから」
.
そこまで言ってじっと見られた
.