第1章 *Candy*
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頭を抱えて目を瞑った…
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聞こえるのは
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風になびく葉っぱの音だけ
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はぁっ…
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帰ろって思って
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頭を上げたら
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目の前に二宮くんが戻ってきて…
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「…な…に?なんで…」
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和「もぉ、振り返ったらうなだれて座ってんだもんビックリするって!」
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「え?あっ…ごめん」
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で?って隣に座って
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和「どうしたの?」
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「あっ…二宮くんを見送ってたの」
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和「え?それだけ?(笑)」
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おかしそうに笑った二宮くん
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「うん、それだけ」
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和「なんで下向いてたの?」
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「えっと…自己嫌悪に落ちてたから?」
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和「(笑)もう大丈夫だって、ほら」
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今日何度も触れた手が繋がれて
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よいしょって立たされた
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和「はい、じゃ中入って」
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でも…って迷ってたら
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和「また座るんじゃねぇかって心配で帰れないでしょ」
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「うん…ありがとう、おやすみなさい」
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和「はい…おやすみ…ほら入って」
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