第7章 彼の本心
とはいえ、今まで猫はおろかペットを飼ったことがない私に猫がいそうなところなど分かるはずもなく。
「ニャンコやーい…」
拾った猫じゃらしを揺らしながらあてもなく公園を歩いていた。
「あーあ、こんな時に役に立ちそうな人いないかなぁ…」
具体的に言うと情報網が広い人。
ハタ坊とかだろうか。
猫知りませんかと呟いたらあらゆる所から猫目撃情報が集まりそうな人。
……いないか、そんな人。
「この際、イヤミさんでも良いから…」
後で考えれば物凄く失礼な物言いだが、とにかく今は人手が欲しかった。
ニャンコがもし町を出て行こうとしているのなら私1人では見つけられるわけがない。
そんな猫の手も借りたい思いで曲がると。
「イヤミザンス!みんなミーを信じて投票してちょーよ。ミーが当選すれば全部解決ザンス!!」
……ごめん、今の無し。
イヤミさんでも良いって言ったけどやっぱりキツイかも。
いつからこの人出馬してたんだろう。
またしても何か良からぬことを考えているのだろう彼が車の上でメガホン片手に手を振っている姿を見て、思わずため息をついた。