第7章 彼の本心
経緯をまとめるとこう。
一松に友人がいないことを心配した十四松が、彼といつも共にいる猫の気持ちが分かるようになれば良いのではと思いつく。
2人でデカパン博士のところに行く。
相手の気持ちが分かる"気持ち薬"(決してキモチイイ薬ではない)の存在を知った2人はそれを彼から受け取る。
しかし薬は注射で注入するものらしく、苦手な一松は大騒ぎ。
それを見ていた猫が注射をさす寸前、一松を庇って代わりにさされたらしい。
これにより、猫は"エスパーニャンコ"へと進化を遂げた。
副作用で人間の言葉も話せるようになったニャンコは、相手の言葉からその本心を読み取って話すらしい。
自宅に戻ってきてからその力を存分に発揮したニャンコは、一松の隠された想いも暴露してしまう。
"友達が欲しい"
それに怒った一松がついにどこかへ行けと怒鳴り、ニャンコは飛び出して行ってしまったという。
「…なるほど、ね」
「あの猫はマジですげぇよ、言ってたこと全部合ってたもん」
「その分言われたくない人にとっては大ダメージだけどね」
当の一松もどこかへ行ってしまったらしくここにはいない。
ぶつかってきたニャンコがそんなニャンコだったと知った私は、どう話せばいいのかわからなかった。
「私も探してくるよ」
「…ちゃん?」
「物好きな奴だねぇ。ま、いいけどさ」
「おそ松達は行かないの?」
「俺らは後で行くよ、2人のことよろしくな」
おそ松の言葉に首をかしげるが、彼には彼なりの考えがあるのだろうと納得して松野家を後にする。
ニャンコも、一松も心配だけど…
「十四松、大丈夫かな」