第5章 兄弟
姿を現したのは勿論おそ松ら兄弟たち。
あぁよかった、私は肩を撫で下ろせた。
彼らはなんだかんだ言ってカラ松のことを大切に思っているのだ。
その証拠にどうだろう、彼らは各々武器(?)を持っている。
あれらで殴られるであろうチビ太のことを考えると気の毒だが、今の彼はその位甘んじて受け入れるだろう。
「おお、やっと来やがったか!さぁ…オイラを倒してカラ松を救ってみやがれってんだ!!さぁ、来やがれぇぇ!!」
彼は意外とノリノリで楽しんでいた。
彼自身、カラ松は必要とされていたことが嬉しいのだろう。
チビ太の言葉を皮切りにか、5人がそれぞれ手に持つ武器…を構える。
どうやらあそこから投げるようだ。
「…家からは出てこないんだ」
ほんの少しそこが残念だけどまあ良いや。
「………ん?」
待てよ。
でももしチビ太が本気でカラ松を殺す気だったとして、投げた物を避けられたら打つ手がなくなる。
それより家から出て殴りかかった方が確実だし、その後のカラ松を救出しやすいんじゃないか。
そもそも家から出なければ火を消すことも出来ない。
一刻も早く彼を助けたいのなら、家から出るのが普通だ。
ではなぜそうしないのか。
それはつまり…。
「チビ太!!カラ松を守っ……!!…あー」
兄弟たちの手から放たれた武器。
それらは真っ直ぐに、勢いよく。
「ぐおっ!!」
「がはっ!!」
「んごっ!!」
「ぐふっ!!」
「かはっ……!!」
カラ松に命中した。