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この日々を謳歌せよ【おそ松さん】

第4章 誰を養う?



「いぇーい!!やったぁ!1抜け!」

飛び上がって室内を舞うトド松。


ホワイトボードに書かれた"扶養"のスペースにトド松のネームプレートが貼られた。



あぁ、こいつは小悪魔だった。


血の気が引くのを感じる。
チョロ松が私に頼りたくなった理由がよくわかった。


この狂った空間を否定することで他の兄弟との違いを見せつけたトド松。
人心掌握が上手すぎる。


「ちょ、ほんとに良いんですか?」

「素晴らしいわ…自立しようとするなんて」

「いやこの時点で彼もう自立する気ありませんよ?!彼の喜びの舞見えてます?!」


私の訴えも届かず、トド松は松代さんと固い握手を交わした。





こうして1人、扶養が決まった。



























さて、次はどう来るか。
恐ろしい末っ子トド松の離脱で残りは5人。

この中で何かトリッキーなことをするとすればおそ松か十四松。(いろんな意味で)

その点でいうと全く読めないのはカラ松と一松。

そして常識的に考えすぎてアピールすることまで考えられないチョロ松。


圧倒的にチョロ松が不利だった。



「はいはいはいはいははいはーい!!!いいっすかぁー?!」

「えーと…」

「十四松でーす!!!」


自分から名乗るのはいい心がけだとおもうよ十四松。
でもその挙手の仕方はちょっと、どうかな。

可愛いから私としてはアリなんだけど。


そして松代さん、もうその演技いらないと思います。

知ってますよね、自分の息子ですもん。


「あの!俺のセールスポイントはチャンスに強いところ!あと年間ホームラン20本は堅いよ!」

「何のアピール?!」

「十四松、お前趣旨間違ってるぞ!」


あぁ、ついにチョロ松が耐えきれなくなって立ち上がってしまった。

力不足でごめんね。


「…肩は強いの?」

「「聞いてどうする!!」」


そしてハモった。
今日はチョロ松と気が合うらしい。

味方がいる気がして心強かった。

それは逆に言うと彼以外はこの空間を受け入れているということなのだが。




「遠投80メートルはいける!!」

「なるほど…見せてもらうわ」

「へ?」


おもむろに松代さんは立ち上がると六つ子を連れて出て行く。
留守番よろしくの言葉と共に私は置いて行かれた。



「…何でだ」
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