第2章 忠告の意味
「さて、じゃあ私そろそろ帰るね」
すぐ帰るつもりだったのに気がつけば外は暗くなっていた。
夕食時だし、帰りにスーパーに寄ろうと立ち上がる。
「え、ちゃん帰っちゃうの?!」
「いや帰るよ?いつかは帰るでしょここに住んでないんだから」
「……!!」
「今気付いたみたいな反応しないで十四松?!むしろ何で住んでると思ったの?」
まだ君と野球してない!と騒ぐ彼を撫でて宥める。
そもそもあれほどの身体能力を持つ君と野球をするのはちょっと遠慮したい。
するとそんな十四松の様子を見たおそ松がよし!と声を上げた。
「皆、飯食いにいこう!チビ太のとこ!」
「お、いいな」
「そんな時間かぁ〜、じゃあちゃんも一緒に行くってことでいいんだよね?」
突然トド松に腕を組まれると、周りが賛成とでも言うように手を挙げた。
待て、なぜ決定しているんだ。
反論しようと口を開けたが、十四松とトド松がキラキラとした瞳で行こ!と見つめてきたものだから断れなくなってしまった。
この2人、可愛い。
そんな断ったら泣いてしまうかのように期待した目で見られてはこちらも応えざるを得ないことをわかっていたら大したものだ。
まぁそんなことはないだろうけど。
後ろからなんかごめんねと謝ってくれるチョロ松に返事をしようと後ろを向く。
その時、トド松がガッツポーズをしているのが見えた。
……トド松は確信犯かな。
認識を改め、財布の中身を確認しながら彼ら行きつけというお店に連れて行ってもらうことにした。