第3章 心臓が鳴りやむ前に。
「あ、ごめん……。」
唐突な質問過ぎたせいだろう。
流石に山口君もまずかったのかと謝ってきた。
「いやまぁ、謝ってもしょうがないしっていうか……え~?」
優しくなったら……
あの蛍が……?
「想像できない。」
「だよね……。」
山口君もそれを理解してはいるんだろう。
肩を落とした。
(でも、これじゃ山口君をいじめたみたいじゃない?)
自問自答。
「今度のデートで分かるって言いたいの?」
「っ!そうそう!!ツッキーは頭いいし、デートで挽回……」
山口君は慌てて口を塞ぐ。
私は言葉自体は聞き取れたけれど、真意が読み取れず?マークを浮かべた。
「ま、まぁデートを楽しみにしてて?」
「うん……っていうかさ、いつからデートって定着してんのよー、っ!!!」
怖かったのかびくっと山口が身を震わせた。
(私はいつ、デートを許したんだ!?)
混乱してきて、整理するべく回転しすぎた頭が今日、ショートして私はその場に倒れこんだ。