第4章 デートだけどデートじゃない!
そういう風に考えた私がバカだったかもしれない。
その後の蛍はぷつりと糸を切ったように黙り込んでしまった。
だから聞くにも雰囲気的に聞けなくなってしまい、適当な遊園地でのことを話すしかなかった。
観覧車に乗ると聞かれたが、この雰囲気で乗るとはどうにも考えられなかったので、断った。
蛍の顔が少し残念そうに見えてしまうのは、自意識過剰になってしまったせいだろう。
「もう、5時……。」
あっという間だった。
私は考えることで精いっぱいになってしまい、乗り物の事はあまり覚えていなかった。
「……そろそろ帰る?」
蛍が静かな口調で聞いてくる。
思えば、高校に上がってからこんな風に話したのは久しぶりだった。
高校ではなんだか言い争った思い出しか浮かんでこない。
ま、高校に入ってから少ししかたってないんだけれどね……。
「うん……。」
「送って行く。」
そう言って、わたしと蛍は遊園地を出て帰路についた。