第1章 クラスメイト
(どうしよう……。)
私は今、とっても大変な危機に瀕している……。
「これ、誰の鞄なのよ……。」
教室に戻ってきて、なんかもうほとんどの人がいなくなっていたので私ももう帰ろうかと思い鞄を持とうとしたら。。。
……そういうわけなんですよ。
「ね、ねぇちょっと。ここって誰の席か知ってる……?」
「あぁ。なんか目つきの悪い人じゃなかったっけ?鞄になんか可愛いストラップ付けてるのが意外だったけど……?」
(それ、私のなんですよ~!!)
「あ、ありがとう!じゃあまた明日ね~♪」
「うん……。ねぇ、あんな子ってこのクラスにいたっけ?」
「一日で分かるわけないじゃない」
私は教室を飛び出した後、目立たないようにできるだけ速足だけど走らないように玄関へ急いだ。
玄関には何人か人がいたけど関係ない。
慌てて下駄箱の名前を確認する。
(男子の名簿順的に私と同じなのは……あった!影山……飛雄?変な名前。ってか靴はまだあるのよね。じゃあこの人が来るまで待っていればいいかしら?でもその間にストラップのぷにぷにが壊されたらどうしよう……!?でもこんな所で待っていたら邪魔になるかもだし……あぁも~~~~~!!)
(↑※これは主人公のうるさい独り言ですので、飛ばしていただいても構いません。)
「おい。」
「はいっっ!!」
「そこ、どいてください。」
「はいっっ!!」
(やっぱり邪魔になってるよ~(泣))
私は後ろから声をかけてきた人の邪魔にならないように横にずれる。
離れる前に私に声をかけてきた人の顔を見ようとすると……。
(あれ……なんか、怖い顔の人だ……。)
ムスッとした表情で靴を取り、ちらっとこちらを一瞥してくる彼。
ちょっと驚いたけれど、それよりも気になったのはその鞄……。
「ちょ、ちょっとタンマ!!」
「!?」
私は慌ててその人の制服を掴んだ。
「な、なんすか!?」
驚いた様子のその人に、私は告げた。
「あなたの持っているその鞄は、私のものです!!」
鞄についているぷにぷにのストラップがゆらゆら揺れていた。