第2章 知り合い
「おっはよ♪」
「おっはよ♪」
朝早く起きて、家を出たら玲奈がいた。
「学校から花乃の家の方が近いのは羨ましいぜ。」
「1キロも差ないじゃん(笑)」
私たち二人の家は学校からそんなに遠くないので徒歩で登校だ。
……でも、玲奈の様子がなんか変だ。
「玲奈、なにかあったの?ちょっと浮かない顔してる。」
「え!?すごい、よくわかったね!」
玲奈は驚いたように目を見開いた。
玲奈は少し話そうか迷ったようだったけれど、ぽつりとこう言った。
「昨日、あの月島ってやつと影山がにらみ合ってた。」
「え……?」
出てきた名前が両方とも知っているものだったので、私は少し驚きを露わにした。
「昨日、偶然公演を通りかかったんだよ。そしたら他にも小さい男子が二人いて、月島が影山をあおってる感じで、影山が月島につかみかかって……」
「ちょっと、それ大丈夫なの!?」
(下手したら退学だってば!!)
「うん。その時は何もなかったんだけど、話の内容も少し聞こえたんだ。……ねえ、花乃……」
玲奈は私の方を見て立ち止まる。
「『王様』って何のことか知ってる?」