第2章 知り合い
私と玲奈は担任の先生の所へ向かった。
「本当にいいの~?一緒の部活に入ればよかったのに~。」
「私はできればだらだらしたいタイプなのです☆だからゆるゆるの部活へ入れてもらいます。運動部のマネージャーなんて言語道断♪」
「サボり魔(ボソッ)」
「ほっとけ。」
『失礼しまーす。』
ガラッという音を立てて扉が開く。放課後の教室はがらんとしている。
その中に一人、教室の端っこで本を読んでいた先生が顔を上げた。
「加賀と清水か。ん?部活決めたのか。見せろ見せろ。」
私と玲奈の二人が持っている申請書を見て先生が手招きをする。
私たちが申請書を見せると、先生はほうっと息を吐き出した。
「排球部のマネージャーと、漫画研究会か……。運動部のマネージャーは忙しいのに、漫画研究会なんて遊びほうけてるぞ。真逆じゃないかお前ら。」
『あははははー。』
軽く笑ってごまかした。
先生はため息をつくと、改めて紙を見る。
「……ま、一応文化祭に作品を提出すれば漫研も良しとしているし、排球部はうちのクラスには影山がもう申請書を出していて同じ部活なら心強いだろう。楽しんでやれよお前ら。」
『はい!!』
サインをして返された申請書を片手に、私たちは顔を見合わせてもう一度にこっと笑ってみる。
「ただし。共通して言えることは、両方ともやるからには本気でやれってことだ。分かったか?」
『もちろんですよ、先生♪』
「……いきが合うな、お前ら。」
『もちろんですよ、先生♪それでは。』
そう言って私たちは教室を出た。
「はぁ……。」
残された先生は、あの二人、本当は双子なんじゃないかと思ったという。