第1章 クラスメイト
「……そろそろ時間だ。片づけるぞ。」
「やっべえ!!痕跡を消せ!!」
「モップを……」
「て、手伝います!!」
かなりきつく言われて落ち込んでいる翔陽君は今どうしようもないから、私たちで片づけをするしかないか……。
あーあー……あんなに拳を握りしめて……。絶対悔しいだろうな~。
「影山君。」
「あ、なんスか、加賀さん。」
「言い方きつくない?翔陽君、大丈夫?」
「……あれで何もできないような奴だったら、この先だって何もできませんよ……。」
影山君はそう言ってモップ掛けを続けた。
(厳しいな~)
正直な感想、私だったらあんなに本気に打ち込めないと思う。だからあの二人はすごい。
私は俯いている翔陽君を見る。
(……羨ましい……)
かっこ悪いとか、ダサいとかしう言葉は思いつかず……、
ただ、そう思った。