• テキストサイズ

片羽天使と悪魔

第2章 確信的な質問


「あんたさぁ、全然反省してなくない?」

「ほんとウザいんだけど」

「また落とされたいの?」

いやいやいや。待ってくださいよ。
いきなり呼び出して、壁際に追いやって、一体なんの話ですか。

わけがわからずに黙っていたら、リーダー的な女の子が私の前にずいっと1歩、前に出た。

「透に、つきまとうなって言ったでしょ??」

とおる??
誰よそれ。知らない。

「透くんは美姫の彼氏なんだから、色目使うのやめろって言ってんの」

取り巻きの一人がそう言う。

へぇ、このリーダーは美姫って言うのか。
ん?デジャブ?そんなの知らないよ。

「ちょっと、黙ってないでなんか言いなさいよ!」

美姫さんが私の肩を掴んで、怒りの感情をあらわにする。

めんどくさいな。

「べつに。私は何もしてない。あっちが勝手に話しかけてくるのよ。あなたの事、もう好きじゃないんじゃないの?」

私は悪くない。
事実を言ったんだもの。思ってることをね。

でも逆鱗に触れたみたい。

「なっ…あんたいい加減にーーーーー」

勢い良く手が振り上げられる。

ぶたれる!
そう思ってとっさに目を瞑る。





だけど、暗闇の中に痛みはなかった。
待てども待てども痛みはなかった。

「?」

目を開け、目の前を確認すると、黒に紫が入ったような、なんとも言えない色をした、半透明の羽が見えた。
/ 30ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp