第2章 確信的な質問
「あんたさぁ、全然反省してなくない?」
「ほんとウザいんだけど」
「また落とされたいの?」
いやいやいや。待ってくださいよ。
いきなり呼び出して、壁際に追いやって、一体なんの話ですか。
わけがわからずに黙っていたら、リーダー的な女の子が私の前にずいっと1歩、前に出た。
「透に、つきまとうなって言ったでしょ??」
とおる??
誰よそれ。知らない。
「透くんは美姫の彼氏なんだから、色目使うのやめろって言ってんの」
取り巻きの一人がそう言う。
へぇ、このリーダーは美姫って言うのか。
ん?デジャブ?そんなの知らないよ。
「ちょっと、黙ってないでなんか言いなさいよ!」
美姫さんが私の肩を掴んで、怒りの感情をあらわにする。
めんどくさいな。
「べつに。私は何もしてない。あっちが勝手に話しかけてくるのよ。あなたの事、もう好きじゃないんじゃないの?」
私は悪くない。
事実を言ったんだもの。思ってることをね。
でも逆鱗に触れたみたい。
「なっ…あんたいい加減にーーーーー」
勢い良く手が振り上げられる。
ぶたれる!
そう思ってとっさに目を瞑る。
だけど、暗闇の中に痛みはなかった。
待てども待てども痛みはなかった。
「?」
目を開け、目の前を確認すると、黒に紫が入ったような、なんとも言えない色をした、半透明の羽が見えた。