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【R18 ハイキュー!!】【短編】烏養繋心のファーストラブ

第1章 烏養繁心のファーストラブ



坂の下商店に行くと、カーテンが閉まっていた。

でも中は明かりがついている。

引き戸のガラス戸も鍵がかかってない。

カーテンの隙間から中に入ると、

「大地……」

「烏養さんから伝言。すぐ戻るから待ってろって」

『話がある。夜、店に寄れるか?』

そうメールもらったから来たのに。

「大地はなんでここにいるの?」

「俺は部活終わってここで少し腹ごしらえしてから須賀たちとミーティングしようかと思ってきたんだけど」

「全部売り切れてるけど」

レジ横のウォーマーは空で、電源も切ってある。

「だな」

「……」

あのコンビニで会った夜以来、なんか気まずい。

烏養さんと私の関係。

この前の「違う」の意味は?

結局大地からは賛成しないワケを教えてもらってない。

でも、大地が私にイラッとしてることだけはわかる。

「つかおまえびしょ濡れだぞ」

「傘持ってなかったから」

外は激しい雨で、全く止みそうにない。

「今日天気予報で雨降るって言ってただろ」

「知らない……天気予報みないし」

「見ろよ……ホント、お前って昔っからそういうと気にしないよな」

「別に、知らなくても困らないし」

「困る」

「困らない」

「困るんだよ……俺が」

「……どういう、意味?」

なんか大地、怖い……

いつもと違う。

「そんな濡れて下着透けた格好であんな年上のヤるだけの男のところに来るなんて、無神経だろ、おまえ」

下着……ブラの線が濡れたブラウスに浮き出てる。

早く拭かなきゃ。

鞄からタオルを出そうとして、手がもつれて鞄が落ちる。

「……っ」

屈もうとして、ちらりと大地を見たら、目があった。

いつもの違う、座った瞳。

まずい。なんか、まずい。

本能が警告してる。

「おまえさ、烏養さんともうつきあうな」

正面に立たれて、一歩後ずさる。

「何度も聞くけどさ、なんで烏養さんなわけ? おまえ烏養さんのこと好き?」

もう一歩近寄られて、もう一歩……

「違うだろ。おまえ、別に烏養さんのこと好きなんじゃないだろ」

「……なんで、そんな、こと……」

もう一歩……ごんっと、お尻に机のヘリが当たる。

もうこれ以上後ろに行けない。

「わかるよ、おまえのことずっと見てきたんだから」

え……


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