【R18 ハイキュー!!】【短編】烏養繋心のファーストラブ
第1章 烏養繁心のファーストラブ
ちょっといやそうな、吐き捨てるような声。
「おまえさ、烏養さんが好きなわけ?」
初めて訊かれた。
「急に、なんで……?」
「別に……これまで好きなヤツとかの話まったくしたことなかったじゃん、おまえ。なのにいきなり烏養さんと仲良くなってそういう関係って、正気俺にとっては意外だから」
そうだよね。
私にとっても意外。
自分が烏養さんと寝てるなんて。
でも……別に誰でもよかった。
烏養さんには悪いけど。
「大地こそ、結とはどうなったの?」
軽く、さりげなく。
「は? 道宮? どうなったって、なんだよそれ」
みんなが噂してる。
女バレ主将の結とのこと。
結はずっと大地のことが好き。
結が性格がよくて、可愛い。
大地も、結のこと悪く思ってない、絶対に。
結だけじゃない。
バレー部マネの清水さんとも噂がある。
清水さんは学年一番の美人で大地と仲良いって噂がたってる。
「なんだよって、お互いに好きなんだってみんな言ってるよ」
「なんだそれ。道宮に失礼だろ、そんな噂」
うわ、相変わらず天然。
結が大地のこと好きなの、3年なら誰でも知ってるのに。
「じゃあ清水さんは?」
「なんで清水が出てくるんだよ」
「清水さんとも噂になってるよ。付き合ってるんじゃないかって」
「それこそ清水に失礼だろ、ったく」
呆れたような溜息。
本当に、大地は清水さんのことなんとも思ってない?
「でも清水さん綺麗だし、いいんじゃない?」
「綺麗とか関係ないだろ」
ずっと身近にいたはずの私よりも、結や清水さんの方が大地に近い気がする。
それが悔しく感じてしまう私って、小さい……
この気持ちをどうにかしたかった。
だから気まぐれで見に行った大地の試合で、烏養さんと知り合って……いつの間にか……
大地のこと忘れさせてくれそうな人なら、誰でもよかった。
でも……
「大地って、昔っから結構モテるよね~。綺麗なお姉さん系も可愛い妹系も、選び放題!」
ワザとちゃらけると、
「おい、怒るぞ」
眉間に皺寄せた顔に睨まれる。
「おまえはすぐ自分のことからすり替えようとするよな」
「別に私はなにもないし、いいじゃん」
「こんな遅くにふらふらしてて、何もないことないだろ」
「そういう保護者っぽいの、なんかおじさんぽい、大地」