【HQ】カラダは貴方に、ココロは誰に? (R18)
第2章 ▷▷転校初日
私の前に座り込み、一向に言葉を発する様子がない黒尾先輩に不信感を抱いた私はおそるおそる顔をあげて、黒尾先輩の様子を伺おうとした
グイッ
「わっ…」
私が顔を上げた一瞬の隙を見計らい、制服の袖でゴシゴシと私の涙を拭おうとする黒尾先輩。
「ったくよ、泣くほど嫌なら最初から下手な嘘つくなよ…」
そっぽを向きながらそう言う黒尾先輩の横顔はどこか悲しげで、どこか不機嫌で…
私の視線に気づいたのか、こちらに向き直り
「センパイこれでも心配してるんです〜」
そういってクシャクシャと頭をなでると、立ち上がり保健室の窓際に配置されている机へと向かい、パンフレットのようなものを持ってまたこちらに向かってくる
「はい、これね、男子校ってかいてあるこのパンフレットは10年くらい前のものね」
「………え?!?!?!」
「いまここ一応共学だから」
「じゃあ女の子いる…「ません」
私が最後まで言葉を発する前に黒尾先輩の否定の言葉が入る
共学なのに、女子はいない…?
????????????
どういうことなのだろう、これは黒尾先輩の嘘なのか…
まるで‘考える人’のような体制で考え込む私を見て黒尾先輩が話を続ける