My important place【D.Gray-man】
第40章 パリの怪盗
『──ジ…ジ…』
「おっ早速だな…! お前らこっち来い!」
「うわわっ」
ジジさんを思わず冷ややかな目で見ていたら、小さな盗聴ゴーレムが唐突に反応を示した。
途端にジジさんに強く腕を引っ張られて、近くの細い路地裏に連れ込まれる。
もうこれ完全に犯罪者ですって行動が。
「静かにしてろよ」
「う、上手くいくんですかねぇ~…」
「失敗したら警察にしょっ引かれるぞ」
心配そうなゴズとバズの言葉を余所に、ジジさんが盗聴ゴーレムに耳を傾ける。
少し雑音が鳴った後、やがて警察署内の声が入ってきた。
『──…ぶ…ガルマー警部…!…きました…!』
『何ィ…!』
騒がしそうな声。
途切れ途切れでよく聞こえない。
思わず身を乗り出して盗聴ゴーレムに耳を寄せる。
『怪盗Gから予告状が、届きました!』
うっそ。まさかのまさか。
核心を突く情報に思わずジジさんを見れば、その顔は"どうだ"と言わんばかりのドヤ顔をしていた。
…うん。
その腕は認めますけど……でもやっぱりこれは犯罪ですって。
バレたらと思うと怖い。
お巡りさんに捕まることもだけど、そうなった時に教団本部に連絡がいった時の反応が。
調査任務中に警察署を盗聴して捕まりました、なんて。
絶対に呆れられる気がする。