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My important place【D.Gray-man】

第39章 夢現Ⅲ



 というか、なんか近いんだけど。

 身を乗り出して傍に寄る体に、思わず隙間を見つけて後退る。
 すると近付いた顔がむっとしたものに変わった。


「なんで逃げんだよ」

「…なんで迫るんですか…」


 隙間を見つけて後退ったはいいものの、一人用ベッドじゃ簡単に背中は壁についてしまう。
 というか今更だけど…此処、ユウの自室だよね。
 今日はご飯食べてお風呂入って部屋戻って寝る予定だったのに……何故此処にいるんだ私。

 多分もう習慣だこれ。
 慣れって怖い!


「お前がそうやってヘラヘラ笑うからだろ」

「は?」

「そうやって無防備に馬鹿みたいに笑うから」


 馬鹿って何馬鹿って。

 そうツッコみたくなったけど、ユウの手の甲が撫でるように頬に触れて、その雰囲気に呑まれてしまった。
 傍に寄る顔に、思わず息を呑む。

 …大変嫌な予感がするんですが。
 い…言わないでねその先を。


「隙だらけで喰いたくなる」


 言った躊躇なく!
 それもド直球!
 ムードも何もないよユウさん!


「ごめんなさい善処します」

「改善しろなんて言ってねぇだろ。俺の前でならな」

「ッ…す、ストップ! 明日ユウ任務入ってるでしょ…!? 無理は駄目だよ…!」

「別に無理じゃねぇし。余裕」


 咄嗟に声を張り上げるも、目の前の顔はしらっとしたもの。

 ええでしょうとも。
 そうでしょうとも、流石セカンドエクソシスト様。
 というか毎日筋トレしてる賜物なのかなよくわかんないけどっ


「き…昨日もやったでしょ…」

「は? ヤってねぇだろ」

「やったよ、これ忘れたとでも!?」


 あっさりと否定するユウに思わず襟首を引っ張って、自分の首を見せつける。
 忘れたとは言わせないからね、昨日しっかり付けられた跡が残ってるのに!

 今朝、共同洗面所の鏡の前で見つけた時は思わずうがいしていた水を吹きそうになった。
 首元にはユウに付けられた赤い内出血の跡が、幾つも残っていたから。

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