My important place【D.Gray-man】
第35章 抱擁
「それより体の方はどうだ」
「え?」
「まだ痛むんだろ」
あ、さっきの悲鳴聞こえちゃったのか。
確かに未だに膣内は違和感があるし、痛みも残ってるけど。
「…大丈夫」
我慢できない程じゃない。
「……本当かコラ」
わ、なんか声が少し低い。
疑ってる。
「少しは、痛いけど…我慢できない程じゃないし」
嘘ついて怒られたくないから、ここは素直に伝えることにした。
「だから大丈夫だよ」
これは本音。
すると少しの沈黙の後、背中にじとーっと感じていた視線の圧は消えた。
多分、納得してくれたのかな。
「………無理はすんなよ」
ぽそりと、間を空けて返ってきたのは小さな優しい声だった。
…ああ、やっぱり。
昨日ずっと優しかったあの神田は、本物だったんだと改めて実感する。
実感すると口元は勝手に緩んで、心はふわふわと軽くなる。
この痛みもそう。
昨日、神田と繋がることができた証みたいなものだから。
…そう思えば全然嫌な痛みじゃない。
「…うん」
ふわふわしながら、ベッドの隅で丸まったまま頷けば。
「──つか、」
ふっと、視界に神田の手が映り込んだ。
え?
「わッ」
後ろから伸びてきたその手は、呆気なく私を囲うと抱き寄せる。
ちょっとそれ少し下半身が痛──…って裸!
は、裸だから二人共!
色々と触れてるから、肌と肌が!