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My important place【D.Gray-man】

第35章 抱擁



 乱暴じゃないけど、確かな動きで突き上げてくる。
 私の中で蠢く神田の存在。

 神田の言う通り、強く締め付けている私の中を、無理矢理広げるように擦る動きは快感より痛みをもたらした。
 身体的刺激は痛みしかない。


「ふゃ…っあ、ァく…ッ」


 心で心地良さを感じていても、その確かな痛みからか、わからないけど。
 生理的な涙がぽろぽろと滲む。

 肌で感じたのか、気付いた神田の唇が微かに目元に触れた。
 私の中を揺さぶりながらされる口付けは、いつもよりぎこちないものだったけど。

 …ああ、駄目だって。
 そういう仕草も、今は胸がいっぱいになるんだから。


「…雪…っ」

「ンく…ッ…ぁ…っ!」


 体は痛みしか感じていないのに。
 胸に満たされる熱い思いで、体はじんとする。

 熱くなる。

 痛い。
 気持ちいい。
 心地良い。

 色んな感覚と感情が入り混じって、目の前の存在しか感じられない。
 強く抱く腕も、汗ばむ肌も、欲して呼ぶ声も。
 痛く突き上げてくる、私の中の神田のその存在だって。
 全てが愛しくて。


「ぁッん…っん──…!」


 心と体がぎゅっとする。
 そんな感覚。

 その時、


「く…ッ…!」


 荒く短い神田の上擦った声を耳に、お腹の上に吐き出された温かいものを感じた。

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