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My important place【D.Gray-man】

第34章 Resonance



 紙袋を並べていると、ふと部屋の隅に置かれた姿見の鏡に映った自分に気付いた。
 其処には相変わらず、ぴったりと私に寄り添う白い影。
 …でもそれだけ。
 相変わらずのもので、それは朝見た時となにも変わっていない。

 ジャスデビが私に何かしたのは確かなんだろうけど、こうして良くも悪くも変化は見られないから…とりあえず保留にしておこうかな。

 ノアになったらなったで、受け入れるって心構えはしてるんだから。
 今更ビクビクしたって仕方ない。


「……」


 …でももうすっかり陽も暮れた遅い時間帯。
 そんな暗い時間帯に、こんな口元だけ笑った寄り添う白い影を見るのは、決して良い気分じゃなかった。

 本当、若干ホラーだから。
 薄暗い部屋で見たら絶対怖いから。


「「…はぁ」」


 溜息出るなぁ……………ん?


「え?」

「ん?」


 重なった溜息に顔を上げれば、姿見に映り込んだアレンの姿が見えた。
 お互いにきょとんと見合う。

 ……あれ、なんかこの感覚デジャヴ。


「何してるんですか」

「二人して鏡見て溜息ついたりしてさ」


 そんな私達に、不思議そうにリンクさんとラビが声をかけてくる。
 いや…私が溜息ついたのは、この白い影であって。
 これは誰にも見えないはずなんだけど…。


「…うん、いや。ちょっとね」

「偶々重なっただけですよ」


 取り繕うように笑えば、隣に立つアレンもすんなりと賛同してくれた。
 うん、偶々重なっただけだと思う。

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