My important place【D.Gray-man】
第34章 Resonance
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「ま、単なる偶然だったんさなー」
「偶然でも会いたくないですけどね、あんな双子」
「でもアレンにゃ同じにクロス元帥の借金ツケられてる仲だし。ある意味同志なんじゃね?」
「たかが100ギニーぽっちでしょ。そんなはした金、僕の借金に比べたら──…」
「わー! オレが悪かったさ! ごめんてアレン! だから黒くなんないで!」
「夜更けに煩いですよ、二人共」
司令室に報告に行って、食堂で夕飯も済ませた。
自室に戻りながら、目の前を歩くアレンとラビとリンクさんの背中を見る。
アレンとラビの手には、大量の今日の戦利品である紙袋。
荷物を運んでくれている、そんな二人とリンクさんの会話を黙って聞く。
どうやらあのジャスデビはアレン同様、クロス元帥の借金を押し付けられているらしい。
…というか…敵であるノアに借金押し付けるって…流石元帥、としか言いようがないんだけど…。
相手はあのノアだけど、なんだか同情するかも。
ゆらりと黒いオーラを纏うアレンもまた、結構な額をクロス元帥に押し付けられている身。
100ギニーをはした金なんて言うくらいだから、凄い額なんだろうなぁ…聞くのはやめておこう。
「──ごめんね、運んでくれてありがとう」
部屋に招き入れながら、自室まで荷物を運んでくれたアレン達に礼を言う。
「いいさ、これくらい。それにお礼なら、今度オレと買った服着て一日付き合ってくれたらいいから♪」
「駄目ですよ、ラビなんかと付き合うとセクハラされます」
「…アレンってば最近オレへの態度、ほんと年上に向けたもんじゃねぇよな」
「え、ラビって年上だったんですか」
「オイ」
そんなアレンとラビのやりとりを苦笑混じりに見ながら、戦利品の紙袋をベッドの隅に並べる。
神田とアレンの喧嘩を間近で何度も見てきたからか、二人のやりとりは凄く平和に見える。
これくらいの口喧嘩ならいいんだけどね、あの二人も。
…本気で殺伐とした殺気送り合うからなぁ…間近で見ると心臓に悪いよ、あれ。