My important place【D.Gray-man】
第32章 幾恋心
ファインダーとして鍛えてる体は綺麗なラインをしてて、スカートの下から見える足は程よく締まっていて目を惹く。
ジェリーさんも言ってたけど化粧映えする顔だから、薄化粧でも自然体で女性らしさを惹き立てていた。
こうやって見ると、普通に綺麗な女の子。
謙遜する必要なんてないと思うのに。
「あいやー。今日もすげぇ量さなー、アレン」
「見てると胸焼けしそうである…」
山積みになったアレン君の料理はいつも目を引く。
そこに声をかけてきたのは、同じエクソシスト仲間のラビとクロウリーだった。
「お。リナリーも一緒だった…ん…」
昼食のトレイ片手に、ヘラリと笑顔を向けてきたラビの目が止まる。
雪を映して。
「……」
「…何」
ぽかんと、拍子抜けしたような顔をして固まったまま。
「…っ」
雪の声を聞いた途端、その顔にさっと朱色が差し込んだのが見えた。
「…雪?」
「だから、何」
「…なんさそれ…まるで女みたいなんだけど…」
「私女ですけど」
「今日ハロウィンだったっけ…あ、仮装パーティ?」
「よーし。その頭こっちに突き出せウサ公」
握り拳を作ってにっこり笑う雪は、いつものラビと絡む時の雪だった。
でもそんな雪に歩み寄られたラビは、ぎこちなく顔を片手で隠しながら距離を取る。
「ゴメンナサイ許して下さい。だからそれ以上近寄んないで」
「何その扱い。酷くない?」
「違ぇから。色々直視できねぇから!」
「直視できないって! 目も当てられないってこと酷くない!? わかってたけどね!」
…ううん、多分それ違うわ雪。
寧ろ逆だから。
照れて直視できないんだと思う。
…というかラビって雪に対してそんな感情持ってたのね。
神田と同じで、雪に対しての態度が雑だったから気付かなかった。
………というか「わかってた」って何。
折角綺麗にしてあげたのに、目も当てられないって思ってるの。
聞き捨てならないわよそれ。